日産【セレナHV】試乗記⑥「S-HYBRIDはカタログ燃費×も実燃費は◎?」
今回は、セレナのS-HYBRIDについて、
今まではなかった視点でのレポートをご紹介します。
それは、S-HYBRIDは、
「JC08燃費は向上しないが、実燃費には効果的!」
という内容。
詳しくは以下からご覧ください!
カービューの記事です。
今までご紹介してきた試乗レポートでも同様ですが、比較用のノーマルグレードを借りてきたのでは?と疑い、横に乗っていた編集部員に聞いてしまった。もちろんコンビネーションランプデザインやインジケーター周りが異なるので、ハイブリッドモデルであることは解る。だが乗り味からは、ハイブリッドモデルであることが解らない。
ハイブリッドの恩恵はジワジワと
「…これホントにハイブリッドモデル?」そのクルマこそ、ミニバンのなかでも好調な販売を続けるセレナに新たに追加された、セレナS-ハイブリッドだ。発売から1ヶ月で1万2000台以上の受注を集め、一気にセレナの主力モデルになった。
勘違いしても仕方ないので、ここでハッキリ言ってしまおう。新たにS-ハイブリッドが追加と書いたが、正確には違う。これは日産の関係者が、このS-ハイブリッドを装備と表現していたことに象徴される。考え方としては、フリート販売グレードとも言える素のセレナ20Sと4輪駆動モデルを除いた全てのグレードに、燃費を向上させるS-ハイブリッドという装備を標準採用してきたと考えるのが良い。要は、セレナは4駆など特定のグレードモデルを除き、セレナS-ハイブリッドになったわけであり、ハイウェイスターやライダーも同様というわけだ。
そのS-ハイブリッドの中身だが、日産で言うスマートシンプルハイブリッドのこと。ハイブリッドでも、フーガハイブリッドなどのフルハイブリッドとは対極にあるシステム。
すでに市場ではハイブリッドの名が一人歩きして、燃費や乗り味等への期待を膨らませて販売店に行き試乗して、冒頭のボクのようなズッコケ気味の印象を抱いた方もいるという。
非常に良いシステムなのだが、このシステムは所有していてジワジワと恩恵を授かれるものであり、ちょい乗りでドカンと魅力を得られるスーパーなシステムではない。S-ハイブリッドのSは、スーパーのSではなくシンプルのSなのだ。
S-ハイブリッドモデルには、クリアハイマウントストップランプや高輝度LEDリヤコンビネーションランプが備わる。
メーター内には、アイドリングストップ時に、経過時間と節約燃料が表示される。
アイドルストップの拡大プラスα
今、メーカーを問わず注目されている燃費向上手法に、アイドルストップ領域の拡大がある。まさにセレナのS-ハイブリッドも、そこに着目したシステムだ。
S-ハイブリッドは停止時間拡大の為に電力を効率よく生産・回収することにも主眼を置いたシステムであることが目新しい。言うなれば、エネルギーのリユース率の向上だ。また、システムがコンパクトであることも魅力。
視点を変えてみよう。セレナの好調な販売の源は、運転のし易さと室内の使い勝手の良さにある。それを犠牲にしないために、エンジンルーム内でハイブリッド化を実現することが求められる。この時点でフルハイブリッドは難しい。そこで着目したのが、日産がエコモーターと呼ぶ、比較的サイズが大きく駆動にも使えるオルタネーターを有効活用することだ。
システム的には、そのオルタネーター/モーターが加速を助けるので燃費が良いと表現されそうだが、それは結果論であって発想が違う。まず通常のクルマが減速時に捨てている走行運動エネルギーを、通常の約1.3倍の発電力を持つオルタネーターが効率よく電気エネルギーに変える。そこで作られた多くの電力は、通常の12Vバッテリーだけでは収まりきらないので、もうひとつの鉛バッテリーを搭載して蓄える。蓄えられる電力容量が大きいため、通常のクルマがバッテリー電力低下でアイドルストップから再始動してしまう場面でも、セレナS-ハイブリッドは、まだまだアイドルストップを継続することが可能なのだ。
このオルタネーター/モーターは加速時に、1.8kW・10Nmの駆動力が発生するが、数値的にも加速を鋭くするというものではないことは解るはず。イメージとしてはエンジン負担を少しでも抑えて、エネルギー効率をあげるものだ。オルタネーターが抵抗として燃費を1割弱も悪化させる通常のクルマの状況を踏まえると、ジワジワ燃費に効きそうなのは解るはず。ちなみにこのシステムは重量+10kgと軽いのも魅力。カタログ燃費のJC08数値への効果はあまり望めないが、実燃費に効果のあるシステムなのだ。
ちなみに話は大幅に変わるが、今回の変更でセレナの後席中央席のシートベルトが3点になった。これ自体は良いことだが、なぜ同時に中央席用のヘッドレストを用意しないのか。3点式シートベルトは今年7月生産より義務化になった対応と思われかねないし、ヘッドレストがあったら拍手喝采の進化だったのに…。
セレナは、エンジンルーム内でハイブリッド化を実現した結果、室内の使い勝手を従来のままとした。
3列目シートの中央席3点式シートベルトは天井から降りてくる仕組み。ヘッドレストは装備されない。
- 日産【セレナHV】試乗記①「本当にハイブリッド?体感できない・・・」
- 日産【セレナHV】試乗記②「メリットがわからないハイブリッド・・・」
- 日産【セレナHV】試乗記③「ハイブリッドは満足度高し」→カラクリ
- 日産「セレナHV」試乗記④「S-HYBRIDは減速時に作動する」
- 日産「セレナHV」試乗記⑤「S-HYBRIDを無理に褒めてみた・・・」
・ハイブリッドだと思うな。アイドリングストップの延長。
・燃費向上効果はごくわずか。
・走りに関してはほぼ全く寄与なし。
→
・S-HYBRID搭載モデルかどうか乗ってもわからない。
このアイドリングストップ+αのシステムを、
日産はS-HYBRIDと表現していますが、
他社は、ほぼ同じようなシステムをハイブリッドとは表現していません。
ハイブリッドといえるかどうかは、
このシステムが、走行性能に寄与するかどうかです。
つまり、動力源になるかどうか。
日産のS-HYBRIDは、ごくわずかながら走行性能に寄与することがある。
ただし、ほとんど関係ありません。
※詳しくは、こちらの2つ目の引用を。日産ディーラーの話ほぼ動力源にならないとうことを考えると、
S-HYBRIDは、他社の低燃費技術でいうと、エネルギー回生システムと言われる
スズキの「エネチャージ」やマツダの「i-ELOOP」とほぼ同じものです。そして、エネチャージなんかは、リチウムイオン電池搭載で、
燃費への貢献率もS-HYBRIDよりは高い。これを、日産流にいうと、
セレナの居住性を守るために、最適なハイブリッドとなるわけですが、
他社も同様の技術を積んできており、決して居住性を犠牲にしていません。
そして、エネルギー回生システムを積んだからといって、
価格が大きく上がるものではありません。このブログでは、もともとこのカラクリといいましょうか、
日産の説明に仕方にかなり違和感を覚えており、
ハイブリッドに期待して買わない方がいい。
(というよりも、これをハイブリッドと名付けてしまう日産にガッカリしたんですが。。。
せっかく、フーガのいいハイブリッドを持っているのに、技術の日産が泣きますよ・・・)
ただ、セレナ自体はいい車だから、
セレナS-HYBRIDの「セレナ」部分が気に入った人にはいい買い物。
だと言って来ました。
ところが、今回注目すべき内容が!
今回、この試乗レポートをご紹介した理由なのですが、
それは、
「カタログ燃費のJC08数値への効果はあまり望めないが、
実燃費に効果のあるシステム」
という部分。
どういうロジックでこうなっているのか、文中からは理解できなかったのですが、
これが本当だとすると、S-HYBRIDいいかも!と思います。
もちろん、エネルギー回生システムが実燃費にも寄与しますから、
当たり前なんですが、
JC08には表れない、実燃費に効果のあるシステム。という意味でしょうから、
S-HYBRIDならではの効果があるんでしょう。
実際に、実燃費も伸びているのか、次回はこのあたりを検証しようかと思います。
関連エントリーは以下から
※セレナの試乗レポート一覧は、こちらから
日産【セレナHV】試乗記①「本当にハイブリッド?体感できない・・・」
日産【セレナHV】試乗記②「メリットがわからないハイブリッド・・・」
日産【セレナHV】試乗記③「ハイブリッドは満足度高し」→カラクリ
日産「セレナHV」試乗記④「S-HYBRIDは減速時に作動する」
日産「セレナHV」試乗記⑤「S-HYBRIDを無理に褒めてみた・・・」
日産「セレナ」の情報
日産「セレナハイブリッド」vsホンダ「ステップワゴン」徹底比較!
日産「セレナHV」:開発者曰く「使い勝手と燃費向上を両立!」
日産「新型セレナHV」:これを見ればすべてがわかる!
日産「セレナ・ハイブリッド」:グレードと価格を公式発表!
日産「セレナ ハイブリッド」8/1発売→今週末(8/4)から試乗会!
日産「新型セレナ」:ハイブリッドモデルのカタログ公開!
日産「セレナ ハイブリッド」は238.5万円~(HV化で5-10万円UP)
日産「セレナ ハイブリッド」発表!0.6km/Lで4万円アップ・・・残念。
日産「セレナ ハイブリッド」は8/1発売!ただ、燃費は超がっかり・・・
セレナ・ノア・ヴォクシー・ステップワゴン→全てハイブリッド化?!
- 同じカテゴリの記事
-
- 日産が公式「車中泊シリーズ=マルチベッド」を発表!セレナとNV200/350に設定! (2020/10/13)
- 日産「新型セレナ」はアルファード似?新デザイン&360度安全技術で今夏発売へ! (2019/07/21)
- 日産「新型 セレナ e-POWER」は2/28発表 → 2/3に一般試乗会開催で既に先行予約開始! (2018/01/29)
- 日産「新型セレナNISMO」発売:ミニバンNISMOは専用装備満載で価格341万円! (2017/11/24)
- 日産「セレナ e-POWER」発表!新型ジュークや復活シルビアへのe-POWER展開も? (2017/11/20)
- 日産「セレナe-POWER」今秋発表が確定!さらに新型ジューク/次期シルビアに展開も? (2017/08/11)
- 日産「セレナe-POWER」6月発表へ:ノート搭載の本格HVは「ノア」超え燃費25km/Lか? (2017/03/09)
- 日産「新型セレナ」出荷停止に...アイドリングストップに不具合?既に4800台登録と人気! (2016/09/06)
- 日産「新型セレナ」発売&価格公開!自動運転だけでなくクラスNo.1の室内長&幅で大人気? (2016/08/25)
- 日産「新型セレナ」は8/24発売確定!事前予約も絶好調?一方現行モデルは72万円超値引き! (2016/07/31)
- 日産「新型セレナ」価格表が流出→プロパイロット搭載はノアヴォクHVと同程度の強気設定? (2016/07/18)
- 日産「新型セレナ」発表→8月下旬発売:自動運転プロパイロット搭載モデルで300万円以下! (2016/07/15)
- 日産「新型セレナ」デザイン完全版&自動運転技術「プロパイロット」試乗レポートを公開! (2016/07/07)
- 日産「新型セレナ」カタログ流出でデザイン確定→快適装備も判明でいよいよ発表秒読みに! (2016/06/27)
- 日産「新型セレナ」の本格HVは【来年春】にノートの新開発EV式で...8月発表は自動運転が目玉 (2016/06/21)
- posted: 00:41
- トラックバック(0)
- コメント(0)
- Page Top
Comment
Page Top