スズキ「新型ワゴンR」をダイハツ「ムーヴ」と【徹底比較】 → ワゴンR圧勝
- 2012-10/16 (Tue)
- スズキ
先日、ホンダ「N-ONE」との比較記事をご紹介しましたが、今回も、新型ワゴンRの比較記事を。
オートックワンに掲載されたダイハツ「ムーヴ」との比較です。
お馴染み渡部陽一郎さんの徹底レポートですので、
読み応え充分。じっくりお読みください。
詳細は以下から。
燃費だけでなく、細かな部分までワゴンRが優勢で、スズキ 新型ワゴンR vs ダイハツ ムーヴ どっちが買い!?徹底比較
なんと“1年”も前倒しで発売された、新型「ワゴンR」
1993年に初代モデルが発売された「スズキ ワゴンR」は、背の高い軽自動車の先駆者的な存在。他メーカーからライバル車が続々と登場しながらも、長期間にわたって軽自動車の販売ナンバーワンであり続けてきた。
それでも軽は人気のジャンルとあって、近年は厳しい戦いを強いられている。ライバルメーカーのダイハツに加えて、国内市場のテコ入れを目的に軽自動車へ力を注いだホンダも渾身のN BOXが大ヒット。
果たしてスズキはどうするのか!?と思っていたら、2012年9月にワゴンRをフルモデルチェンジしてきた。
これまでのワゴンRは5年毎に一新されてきたが、今回の新型ワゴンRは先代の発売から4年しか経っていない。厳しい競争に勝ち抜くための「前倒し」だ。
【新型ワゴンR vs ムーヴ 走行性能対決(NAモデル)】走りに余裕の新型ワゴンR、ムーヴはやや力不足か
次は、走行性能だ。
ノーマルエンジン同士では、新型ワゴンRの方が力強い。
ムーヴのエンジンは、ミライースから採用が開始された低燃費エンジン。このエンジンは、燃料消費量が少ない代わりに実用回転域の駆動力が少し弱い。 最大トルクの数値も6.1kg-mと控え目で、発生するのは5,200回転と高い。登坂路に差し掛かると力不足を感じてしまう。
その点、新型ワゴンRのノーマルエンジンは6.4kg-mを4,000回転で発生。最高出力は52馬力で等しいが、新型ワゴンRの方が実用域に余裕を感じる。
しかも車両重量は新型ワゴンR(FXリミテッド)が790kg、ムーヴ(X)は810kgと新型ワゴンRのほうが軽い。30kgの差ではあるが、動力性能は新型ワゴンRがさらに有利となる。
スズキ【新型ワゴンR】試乗記②「実用性満点のエコカー!」
スズキ【新型ワゴンR】試乗記①「低燃費以上に【走り】がいい!」
【新型ワゴンR vs ムーヴ 走行性能対決(ターボモデル)】ターボモデルの性能はほぼ同等ターボモデルについては、最高出力はそれぞれ64馬力で共通ながら、最大トルクはワゴンRが9.7kg-m(3,000回転)、ムーヴは9.4kg-m(4,000回転)とワゴンRが勝る。加えて、車両重量はやはりワゴンRが30kg軽い。
ただしターボモデルの場合は、ノーマルエンジンと違って動力性能の違いを感じにくい。
ターボの最大トルクはノーマルエンジンの50%増に相当し、アクセルを深く踏み込む機会が少ないからだ。
ターボ仕様の動力性能は、実質的には同等と見て良いだろう。
【新型ワゴンR vs ムーヴ 乗り心地・走行安定性対決】両車ともにカスタム系は乗り心地が上質
走行安定性と乗り心地のバランスは、グレードによって違いが生じる。
売れ筋となっている「ワゴンR FXリミテッド」と「ムーヴ X」との比較では、ワゴンRが少し勝る。
先代ワゴンRのFXリミテッドでは、フロントスタビライザーが効果的に働いてボディの傾き方を抑制したが、現行型ではカットされた。先代型に比べる と左右に振られやすいが、ムーヴよりは挙動の収まりが良い。後輪の接地性は両車とも十分に確保されて不安を感じないが、車両の向きを変えやすいのは新型ワ ゴンRだ。
ワゴンRスティングレーとムーヴカスタムになると、両車ともにフロントスタビライザーを装着。走りのバランスが向上する。
特に注目されるのが、ムーヴカスタムのノーマルエンジン車。
ボディの傾き方を抑えたことに基づき、ショックアブソーバーの減衰力を少し下げて、操舵感と乗り心地が上質になる。なお、ムーヴの姉妹車になるステラでは、ムーヴカスタムと同様のスタビライザー付きのサスペンションが、標準ボディにも採用されている。
ほかの装備の違いを補正すると、足まわりの変更に伴う価格アップを8,000円から1万円前後に抑えた。ムーヴや新型ワゴンRも、フロントスタビライザーを備えて足まわりをセッティングすべきだ。
【新型ワゴンR vs ムーヴ 価格対決】価格自体はムーヴが安いが、実質的にはワゴンRがお得か
価格の割安感はどうか。ワゴンRは新型車だから、まず先代と価格を比較してみよう。
売れ筋の「ワゴンR FXリミテッド」で比べた場合、車両価格は先代型よりも約3万円高い。
加えて前述のフロントスタビライザーをカット。CDオーディオも標準装着からオプション設定に変えたので、合計約6万円の値上げになった。その代わり、アイドリングストップを含めた各種の低燃費技術が採用され、28.8km/LのJC08モード燃費を達成している。
一般的にアイドリングストップの価格換算額は3~5万円で、燃費の向上率は6~8%だ。現行ワゴンRは6万円の上乗せで30%弱の燃費向上を実現しており、先代ワゴンRよりも新型ワゴンRのほうが割安と判断できる。
次は、ムーヴとの比較だ。グレードはワゴンRがFXリミテッド(124万9500円)、ムーヴはX(122万円)。価格はムーヴが約3万円安く、 2.5万円相当のCDオーディオも備わるが、ワゴンRのFXリミテッドには9万円相当のエアロパーツが標準装着される。ほかの装備レベルはほぼ同じ。
となれば、JC08モード燃費が1.8km/L勝ることも含めてワゴンRがお買い得となる。
次は、ターボモデルの上級シリーズでの比較。
ワゴンR スティングレーT(149万6,250円)とムーヴカスタム RS(149万円)を比べる。この2車の価格は同等。装備も15インチのアルミホイールからオートライトまで拮抗する。例えばワゴンRはATにパドルシフ トを備えているが、ムーヴはリヤ側にもスタビライザーが付くという具合だ。
JC08モード燃費はムーヴが24.2km/L、ワゴンRは26.8km/Lだから、ワゴンRがわずかに買い得となる。
以上のように、両車の買い得感を比べると少しずつだがワゴンRが勝る。
軽自動車は基本的に国内専売。海外事情に左右されにくく、後発の車種は国内のライバル車を見据えて装備と価格を決めるからだ。
燃費数値も同様。ワゴンRは飛躍的に高めたが、アルトエコはミライースを0.2km/L上まわる30.2km/Lとなった。後発の車種は、人気のライバル車を強く意識するわけだ。
軽自動車は日本のユーザーを見据えて開発されるため、本質的に売れる素性を持つ。そこに分かりやすい燃費と価格の競争も加わり、市場をさらに活性化させている。
ワゴンRがここまで頑張れば、ムーヴを筆頭にダイハツ車も黙っていない。ホンダも「ワゴンR対策」を練っているだろう。そしてスズキはワゴンRの低 燃費技術をMRワゴンとOEM車のモコ、さらにパレットやルークスにも展開する。熾烈な競争が奏効して、ますます軽自動車は燃費性能を高めて魅力を増すわ けだ。
そしてワゴンRとムーヴに共通することは、低価格で燃費を向上させながらも内装や走りの質を下げていないこと。この点は昨今のコンパクトカーと大きく違う。
現時点で軽自動車は新車販売されるクルマの36~38%前後を占めるから、今のままコンパクトカーが商品力で押されると、国内販売の過半数が軽自動車になる可能性も高い。
日本のユーザーのために開発すれば、その努力は国内市場で必ず報われるのだ。
フルモデルチェンジ後ということもあり、ワゴンRの圧勝。
まあ、現状の軽自動車市場では、ワゴンRは、ムーヴと比較する車種ではなく、
NBOXやミライースとNo.1を争う事のほうが重要。
「ミライース」「NBOX」「ワゴンR」「N ONE」軽は圧倒的人気!
同クラスのムーヴとの比較で負けている訳にはいかないですよね。
しかも、来月にはHONDAの「N-ONE」も登場。
特別編集:ホンダ「N-ONE」の【最新記事】一覧
ますます環境は厳しくなります。
ホンダ「N-ONE」を【ワゴンR】と比較!【燃費】は負けても【広さ】は勝つ?
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この軽自動車の低燃費争いは、自動車市場のなかでも、
最も注目度の高い出来事になる予感。
スズキ、ダイハツ、ホンダの技術と気合に期待しましょう!
※新型ワゴンRの試乗レポート一覧は、こちらから
スズキ「ワゴンR」試乗記④:低燃費走行のコツを大公開!【動画】
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Comment
よく比較対象にされがちだが、ムーヴはAピラーを寝かせてセダン(ハッチバック)的な雰囲気。
ワゴンRはムーヴに比べてRVテイストな車だと思う。
出た当初はムーヴもワゴンRのようにRVテイストが強かったが今は違って来ている。
若干、ワゴンRの方がヒップポイントが高め。
ワゴンRはグッズを用いれば車中泊も快適に出来るが、ムーヴは快適に…までとはいかない。
乗り心地を重視するならムーヴ。RVテイストを楽しみたいならワゴンRといったところだろう。
2015-02/08 04:43 (Sun)
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