マツダ「SKYACTIV-X」世界初公開&初試乗 → 乗り味はディーゼル×ガソリンのイイトコ取り!
- 2017-09/08 (Fri)
- マツダ
フランクフルトで開催された世界初公開となる、
マツダの次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」のお披露目会。
いわゆるHCCIエンジンというやつですが、すでにご紹介しているように、
次世代アクセラに搭載されることが濃厚のようです。

今回の試乗会には、日本のメディアも多数参加しており、
次世代エンジンの解説とともに、早くも試乗車が用意されたようです。
海外では、すでに走行シーンの動画も!
今回は、各メディアが取り上げている試乗レポートを中心に、
SKYACTIV-Xの実際に迫りたいと思います。
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まず、簡潔な試乗レポートを。
AUTOCAR JAPANの記事から。
sponsored linkマツダSKYACTIV-X試乗 ガソリン圧縮着火2.0ℓプロトタイプ車
圧縮着火2.0ℓガソリンエンジン、試乗レポート
マツダが新開発したSKYACTIV-Xエンジンは、大量生産モデルとして初の「ガソリン圧縮着火」を実現することになる。
そして、新型プラットフォームとともに将来のモデルに搭載され、2019年に発表を予定している。
「SKYACTIV-X」は、SCCI(Spark Controlled Compression Ignition=火花点火制御圧縮着火)を採用。マツダによれば、
・ディーゼルエンジンのトルク
・ディーゼルエンジンの経済性
・ガソリンエンジンのパフォーマンス
・ガソリンエンジンの環境性能
を組み合わせることができるという。
SKYACTIV-X MT/ATをテスト
今回試乗できたのは、開発初期のエンジンであるが、「ディーゼル」「ガソリン」の両者のキャラクターを明らかに感じ取ることができた。
試乗車両は、MTとATの2台が用意され、いずれも2.0ℓのSKYACTIV-Xユニットを搭載。現行型マツダ3(日本名:アクセラ)のボディシェルをまとっているが、プラットフォームは新開発のものを使用している。
テストしたエンジンは日本から着いたばかりのユニットで、スペックは明かされなかった。というのもマツダのエンジニアによれば、厳密なダイノテストも実施していないという。このため、最高速度は100mph(161km/h)に制限された。
SKYACTIV-Xが、どのモデルに搭載されて登場するのかマツダは見解を示していない。欧州/北米におけるキーモデルであることを考えれば、マツダ3ハッチバックモデルがごく自然な選択肢になるだろう。
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スピードアップしても力強いトルク
テストルートは、マツダのヨーロピアンR&Dセンター(ドイツ・オーバーウルゼル、フランクフルト近郊)の周辺地区で、カントリロード、市街地コース、それに短時間ではあるがアウトバーンも含まれていた。SKYACTIV-Xエンジンを様々なシチュエーションで試すには、なかなかの条件だ。
インプレッション
新開発エンジンは、低速域ではサウンドも含めてディーゼルのように振る舞う。改良・仕上げはこれから行うことだろうから、ときには未完成だと感じる点もあった。
しかし一度スピードを上げていくと、まるでガソリンユニットのように、スムーズで静かになる。それにもかかわらずトルクは力強い。たとえ6速で走っていても、低中速域からなかなかエネルギッシュに加速することができた。
ATとMTの違いに関して記述するならば、今回のテストについては、ATのテスト車がスムーズでレスポンスに優れ、MT仕様がフィーリングもサウンドもラフであった。
燃費比較シミュレーション その結果は?
新型プラットフォームは安定感があり、クルマの据わりもいい。それでも、2019年に発表される生産型の出来を現実的に判断するには、まだ時期尚早といったところだ。
試乗を終えると、わたしの走行中のデータと、現行型マツダ3(2.0ℓ SKYACTIV-G)の燃費比較をするコンピューターシミュレーション結果を見ることができた。
その結果によればSKYACTIV-Xは、14%も燃費が優れているという。われわれがデータを検証する術はないが、これが正しい数値ならば、このテクノロジーの可能性を示すことになるだろう。
https://www.autocar.jp/news/2017/09/07/237359/
マツダの説明どおりの試乗インプレッションですが、
ディーゼルのような低速域トルク×ガソリン車のようなスムーズさ。
という表現になっていますが、
走行性能に関しては、なかなか判断が難しそうな印象。
そもそも、ディーゼルもガソリンも、味付け次第というところもありますから、
自前のハイブリッドのないマツダにとっては、
「ディーゼル×ガソリンのいいとこ取り」というコンセプトを目指した開発なのかもしれませんね。

燃費性能は、14%アップということですが、
こちらは、新プラットフォームの効果もあるでしょうから、
ガソリン車の10%アップ程度ということになると、ディーゼルモデルとそれほど変わらず?
むしろ、経済性を考えると、ハイブリッドとの比較になるディーゼルの方が有利でしょうね。
前評判では、燃費もかなり伸びそうだったんですが、こちらは今後の開発で?

マツダ『新エンジン開発』で【燃費50km/L】達成へ!【HCCIエンジン】✕【マイルドHV】で2020年目標に! sponsored link
Responseに掲載されている桃田健二さんの試乗レポートでは、
そのノリ味に関して以下のような指摘も。
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まず、マニュアルトランスミッション車に試乗した。市街地の走行では、SKYACTIV-G 2.0リットルの現行アクセラと比べて、低回転域から中回転域までしっかりしたトルク感があるが、SKYACTIV-Dのターボによるド太いトルク感とは違う。
SKYACTIV-Gと大きな違いを感じたのは、緩やかな登り坂での加速だ。ギアをシフトアップしていくと、クルマ全体がドンドンと加速する。その加速感はミッションのギアによって引っ張り上げられているのではなく、エンジン自体の伸びやかさに起因する。つまり、中回転域から高回転域で芳醇なトルクを感じるのだ。
そして、なんとも表現が難しいのが、乗り心地とハンドリングだ。あえて言葉にすると、『まったり』『やさしい』という曖昧な表現になってしまうのだ。
この第二世代SKYACTIVボディ&シャーシの開発コンセプトは、『人間中心の発想』。これは、人間が歩く際の動的バランスを、クルマの運転における理想の状態として再現するというものだ。
そのために、着座した際、脊髄のSカーブの維持によって骨盤を立てることで、自動車技術領域では『ばね上』と呼ぶ車体のサスペンションより上部の動きとシートの動きを一体化した。さらに、ボディを多方向の環状構造とすることで、力の伝達の遅れを減らした。
加えて、サスペンションより下の『ばね下』への力の入力を滑らかにした。
この結果、どうなるかというと、まさに運転者とクルマが『人馬一体』となる。マツダの開発陣はこの実験車両の乗り味について「クルマの存在を忘れてしまうような感覚」と表現する。
こうして、マツダの次世代技術が満載したエンジンと車体が生み出したクルマは、筆者がこれまでに経験したことのない、不思議な感覚の乗り物だった。
それでも、今回の実験車両はまだまだ粗削りの状態。2019年に量産される時には、さらなる進化を見せていることだろう。
https://response.jp/article/2017/09/07/299463.html
こちらも、あくまでもプロトタイプの評価という前提ですが、
低速域でのトルク感と、中高速域での伸びやかな加速が特徴というのは、先ほどと同じような意見。
さらに、新プラットフォームについての解説では、
「クルマの存在を忘れてしまうような感覚」というのは、面白いですね。
ただ、これ、いい意味でも悪い意味でも取れてしまう難しい表現。
今後、マツダらしい乗り味に味付けされていくでしょうね。

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