ホンダのエコカー技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」
- 2012-01/29 (Sun)
- ホンダ
この「NBOX」は、「N CONCEPT」の第一弾というだけでなく、
ホンダの次世代環境技術ブランド「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」の搭載車第一弾でもあります。
といっても、多くの方がご存じないと思います。
本来なら、もっと大きく世の中に発表されるべきものなんでしょうが、
様々な事情があってなのか、世の中的な話題にはなっていません。
では、「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」とは何なのか?
ホンダの未来を支える技術群なのですが、その中身を見ていきましょう。
※見れない方は、右下の「続きを読む」から
まず、ホンダのニュースリリースをご覧ください。
次世代革新技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」を発表
~今後3年以内に各カテゴリーで燃費No.1を目指す~
Hondaは、四輪の次世代革新技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY(アース・ドリームス・テクノロジー)」の概要を本日発表しました。
「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」とは、エンジンなどの内燃機関やトランスミッションの効率向上やモーターなどの電動化技術の進化によって、優れた環境性能をベースにHondaならではの運転する楽しさを追求し、走りと燃費を高次元で両立させる次世代新技術群です。
このEARTH DREAMS TECHNOLOGYは、軽乗用車「N BOX」を皮切りに、今後、新たに発売するさまざまなカテゴリーで展開し、3年以内に各カテゴリーで燃費No.1を目指すとともに、2020年までに全世界で販売する製品のCO2排出量を2000年比で30%の低減を目指します。
EARTH DREAMS TECHNOLOGYのネーミング由来:
「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」は、私たちが守るべき地球環境と、走る喜びとしての夢を両立させる技術であることを表しています。
■「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」の主な内容
1.走りと燃費性能で世界トップレベルを実現したガソリンエンジン
2.世界最軽量※1を実現し、クラストップ※1の加速性能と燃費性能を実現した小型ディーゼルエンジン
3.操る楽しさと燃費性能を高次元で両立したCVT
4.世界最高効率※1を実現した2モーターハイブリッドシステム
5.走りと燃費性能を両立した高効率・高出力のハイブリッドシステム「電動SH-AWD」
6.EV用小型高効率電動パワートレイン
■技術概要
1.走りと燃費性能で世界トップレベルを達成したガソリンエンジン
・ Honda独自のVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)技術を進化させ、徹底的な熱効率の向上と低フリクション化により、高い出力性能と低燃費を両立。さらに、拡張性の高い新骨格エンジンシリーズを新たに開発しました。
・ 軽乗用車「N BOX」を皮切りに順次エンジンを刷新し、3年以内に各カテゴリーで出力特性と燃費性能のNo.1を目指します。
・ 660ccクラスから、1.3Lクラス、1.5Lクラス、1.8Lクラス、2.0Lクラス、2.4Lクラス、3.5Lクラスまで多様なバリエーションを設定しました。
【660ccクラスエンジン】
・ DOHCやVTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)を採用したことで吸気効率が向上し、さらに、コンパクトな燃焼室により、高い熱効率を実現。
・ 現行エンジンに対し、ボアピッチを短縮したほか、シリンダーブロックやカムシャフトなどを薄肉化したことにより、エンジン単体で15%※2以上の軽量化と10%※2の燃費向上を達成。
【1.3~1.5Lクラスエンジン】
・ DOHC、VTEC技術をベースに、VTC、直噴技術およびアトキンソンサイクルを採用。
・ 徹底的な低フリクション化を実現。
【1.8~2.0Lクラスエンジン】
・ DOHC、VTEC技術をベースに、直噴技術およびアトキンソンサイクルを採用。また、吸気側、排気側の両方へのVTC配置と大量EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気ガス再還流)の導入により、徹底的な低フリクション化をはかりました。
・ 2.0Lクラスハイブリッド車用エンジンは、電動ウォーターポンプの採用により補機のベルトレス化をはかり、低フリクション化に貢献。VTCの採用と合わせ、低燃費運転領域の拡大をはかりました。
【2.4Lクラスエンジン】
・ DOHC、VTEC技術をベースにVTC、直噴技術を採用するとともに、徹底的な低フリクション化を実施。
・ 現行エンジンに対し、エンジン単体で燃費、出力ともに5%※2、最大トルクは10%※2向上。
【3.5Lクラスエンジン】
・ SOHC、VTEC、VCMに新動弁機構と直噴技術を採用することで、エンジン単体で現行エンジンに対し、燃費で10%※2以上、出力で5%※2以上の向上。
2.世界最軽量※1を実現し、クラストップ※1の加速性能と燃費性能を実現した小型ディーゼルエンジン
・ エンジン剛性、燃焼指圧の最適化により、シリンダーブロックのアルミオープンデッキ化を可能とした1.6Lクラスで世界最軽量※1のディーゼルエンジン。
・ 現行の2.2Lエンジンからのダウンサイジングに加え、各部のメカニカルフリクションを徹底的に低減することで、現行ガソリンエンジンと同等レベルの低フリクション化を達成。
・ 冷却システム改良による熱マネジメントの最適化もあわせ、CO2を15%※2以上低減。
・ 小型高効率ターボチャージャーの採用と往復摺動部の軽量化により、レスポンスに優れた軽快な走りを実現。
3.操る楽しさと燃費性能を高次元で両立したCVT
・ 様々なエンジンに適合できる軽クラス、小型クラス、中型クラスのCVT3骨格を新たに開発。
・ 高強度ベルトの採用により、ワイドなレシオレンジ設定が可能な骨格構造を実現。
・ ベルトとプーリー間の接触挙動解析技術と高精度油圧制御システムの導入により、さまざまな走行条件や環境下において、プーリーに最適な油圧を付与することが可能となり、燃費向上に貢献。
・ 電動オイルポンプを採用し高い応答性を実現したアイドリングストップシステムにより、燃費と扱いやすさの向上に大きく寄与。
・ 変速、スロットル、油圧制御系の新協調制御「G-Design Shift」により、ドライバーの要求に素早く反応し、高く伸びのある加速Gを維持して、爽快でスポーティーなドライブフィールを実現。
・ 軽クラスでは、制御系デバイスや軸配置を工夫することで前・後長を短縮するとともに、トランスミッションケースの構成を簡略化するなど部品点数を削減し、軽量・コンパクト化を実現。
・ 小・中型クラスは、軽量コンパクト化に加え、レシオレンジを拡大しながら伝達効率も大幅に向上させることで、従来CVTに対し約5%※2、同クラス5ATに対して約10%※2の燃費向上を実現。
4.世界最高効率※1を実現した2モーターハイブリッドシステム
・ 走行性能を高めながらCO2低減にも対応した、世界最高効率※1の2モーターハイブリッドシステムを新たに開発。
・ 専用リチウムイオンバッテリー、チャージャーなどの採用によりプラグインハイブリッド車にも搭載可能。
・ 2012年にプラグインハイブリッド、2013年にはハイブリッド車としてこのシステムを搭載した中型車を量産化予定。
・ 市街地などでは「EV走行モード」と、エンジンで発電した電力によりモーターを駆動する「ハイブリッド走行モード」、高速クルーズ時は、エンジンとタイヤが機械的に直結された「エンジン直結走行モード」と3つの走行モードを使い分けることで、さまざまなシーンに応じた最高効率※1のシステムを実現。
・ 120kWの高出力モーターとの組み合わせにより、環境性能とFUN性能を高い次元で両立。
5.走りと燃費性能を両立した高効率・高出力のハイブリッドシステム「電動SH-AWD」
・ 大型車に最適なハイブリッドシステム「電動SH-AWD」を新たに開発。3.5LのV型6気筒エンジンにこのハイブリッドシステムを組み合わせることで、V型8気筒エンジンと同等の加速性能と、直列4気筒エンジン以上の低燃費を実現。
・ エンジンと30kW以上の高効率モーターを内蔵した7速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせながら、後輪を20kW以上の左右2つのモーターで独立して駆動する電気式の四輪駆動システム。
・ 高性能なリチウムイオンバッテリーを搭載し、フロントとリア2つのモーターを最適にコントロールすることで、低燃費で高い出力性能を持つ新ハイブリッドシステムを実現。
・ リアに独立した2つのモーターを配置し、新開発のリア左右トルクの自在制御システムによって、革新的なオン・ザ・レール感覚のコーナーリングが可能。日常のさまざまなシーンで安定した走行の実現を目指しました。
6.EV用小型高効率電動パワートレイン
・ 高効率同軸型モーター、低フリクションギアボックス、電動サーボブレーキシステムなどにより、米国で定められた条件値の交流電力消費率29kWh/100マイル(116MPGe)という、世界最高※1の電費性能を実現。
・ 航続距離は、高エネルギー容量のリチウムイオンバッテリーを搭載することで、123マイル※3(LA-4モード:unadjusted)、210km※3(JC08モード)を達成。
・ 米国の240V電源を使用した場合、3時間以内でフル充電が完了。(充電警告灯点灯~満充電まで)
・ 「SPORT」「NORMAL」「ECON」の3つの走行モードを用意したことで、電力消費の少ない走行からスポーティーな走りまで、ドライバーが自由に選択可能。
※1 Honda調べ(2011年11月末現在)
※2 Honda当社比
※3 Honda測定値
読んでいただければお分かりかと思いますが、ホンダの未来を占うような、
非常に大きな話です。
他社でいうと、マツダの「SKYACTIV」、ダイハツの「イーステクノロジー」のようなものですね。
ホンダが目指すべき、エコカーの未来は、あらゆるところに書かれていますが、
【走り】と【燃費】の両立。SKYACTIVに非常に似ていますが、ホンダらしいですね。
この「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」の主な内容は、
①高効率ガソリンエンジン
・「N BOX」を皮切りに順次エンジンを刷新
・3年以内に各カテゴリーで出力特性と燃費性能のNo.1を目指す
・660cc、1.3L、1.5L、1.8L、2.0L、2.4L、3.5Lまで多様なバリエーション
②世界最軽量小型ディーゼルエンジン
・1.6Lクラスで世界最軽量のディーゼルエンジン
③操る楽しさと燃費性能を高次元で両立したCVT
・軽クラス、小型クラス、中型クラスのCVT3骨格を新たに開発
④世界最高効率を実現した2モーターハイブリッドシステム
・走行性能を高めながらCO2低減にも対応
・世界最高効率の2モーターハイブリッドシステム
・専用リチウムイオンバッテリー、チャージャーなどの採用
・プラグインハイブリッド車にも搭載可能
・2012年にPHV、2013年にはHV車としてこのシステムを搭載した中型車を量産化
・3つの走行モードを使い分けることで、最高効率のシステムを実現
-市街地などでは「EV走行モード」
-エンジンで発電した電力によりモーターを駆動する「ハイブリッド走行モード」
-高速クルーズ時は、エンジンとタイヤが機械的に直結された「エンジン直結走行モード」
・120kWの高出力モーターとの組み合わせにより、環境性能とFUN性能を高い次元で両立。
⑤高効率・高出力のハイブリッドシステム「電動SH-AWD」
・大型車に最適なハイブリッドシステム「電動SH-AWD」を新たに開発
・高性能なリチウムイオンバッテリーを搭載、フロントとリア2つのモーターを最適にコントロール
⑥EV用小型高効率電動パワートレイン
・交流電力消費率29kWh/100マイル(116MPGe)という、世界最高の電費性能
・航続距離は、123マイル(LA-4モード:unadjusted)、210km※3(JC08モード)を達成
・高エネルギー容量のリチウムイオンバッテリーを搭載
・米国の240V電源を使用した場合、3時間以内でフル充電
・「SPORT」「NORMAL」「ECON」の3つの走行モードを選択可能
■ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、CVT
■中型車用HVシステム、大型車用HVシステム
■EVパワートレーン
と、ガソリンエンジン、HV、EVと3つのパワートレーンを包含する大きな考え方です。
その中でも注目なのが、
ガソリンエンジンと、中型車用HVでしょうか。
→
ガソリンエンジンは、NBOXから展開。そう、既に搭載されているんですね。
中型車用HVシステムは、今年中にPHV車、来年HV車を量産と、直近の話です。
現在のホンダのHVシステムはIMAハイブリッドといものですが、こちらはトヨタと比較すると、
簡易なもののため、燃費性能でトヨタに劣ります。
ホンダも中型車以上でのIMAの限界を感じているのでしょう。
カテゴリーごとにHVシステムを変えるという戦略をとりましたね。
さて、これだけ大きく、ホンダの中核を担う「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」なんですが、
「NBOX」発売時に、大きく打ち出さなかったのは、おそらく2つの理由があるはず。
NBOXが「走り」と「燃費」を打ち出すためには最適な車種ではなかった。
※特に、燃費は同カテゴリーのダイハツ・タントに負けている。。。
&
今年発売のプラグインハイブリッド車で大々的に発表する?
ガソリン車では、各カテゴリーで3年以内に燃費No.1という、
社内に相当なプレッシャーがかかる高い目標を立てています。
そして、今後軽自動車のNシリーズが続々と出ていくわけですが、その中で、
「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」はどう扱っていくのか。
今のところ、まったく見えてこないのですが、いつかどこかで大きく打ち出してくるはずです。
さて、どんなタイミングになるのか楽しみです。
【NBOX後継車】の「Nシリーズ」記事一覧は、こちらから。
【NBOX/タント/パレット】の比較記事一覧は、こちらから。
【NBOX】の情報一覧はこちら
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【トヨタ アクア】の最新記事一覧は、こちらから。
【ダイハツ ミライース】の最新記事一覧は、こちらから。
【スズキ アルトエコ】の最新記事一覧は、こちらから。
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